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Salyu TOUR 2009「Merkmal」@日本武道館 [LIVE!LIVE!]

Salyu、初の日本武道館公演を見に行く。

ベストアルバム「merkmal」では、再び小林武史とタッグを組むことが発表され、リリィシュシュ時代からセカンドアルバム「TERMINAL」までの作品からチョイスされた楽曲が収められたが、今回はその発売を受けたTOURの初日ということで、リリィシュシュ時代の曲も多く選曲され、約10年間の活動を振り返る内容となっていた。

ステージは、両脇とステージの後側(背景)一体をスクリーンに見立て、そこに映像と詩が流れていた。またステージのど真ん中に、雲(か波?)を模したような巨大なオブジェクトがあり、その舞台に乗ってSalyuが歌うという、実にSalyu×小林武史らしい幻想的な仕掛けが施されていた。

「回復する傷」がオープニングのSEとして流れ、ステージを覆う幕が取り払われると、そこにはバンドメンバーがオブジェクトを取り囲むように配置され、中央やや左、オブジェクトの客席から向かって左側の上に一筋のスポットライトを浴びたSalyuが立っていた。1曲目は「プラットフォーム」から。

バンドメンバーはあらきゆうこ、北田マキ、名越由貴夫、SUNNYとお馴染みのメンバーに加えて、ギター(シミー(清水ひろたか))とコーラス(山口ヒロコ)とチェロ(ロビン・デュフィ)を加えた7人編成と大所帯。だが、チェロとコーラスを加えたことによって、salyuの曲世界を伝えるのに幅が広がったことは確か。山口ヒロコの歌声はSalyuとは全く違うのだが、コーラスとしてハーモニーを重ねると不思議とよくマッチする。そしてチェロの響きは弓と弦が交じり合う独特の低音の広がりがその幻想性を増す効果となる。また「飛べない翼」のイントロや、中盤Salyuが衣装チェンジのために中抜けした際にも活躍。今回のサウンドの肝だったと言っていいだろう。

Salyuは最初の何曲かこそ、声が掠れていたりした場面もあったものの、緊張がほどけていくのか、徐々に声にハリとつやが増していくような印象を与えた。その一つのピークだったのが、中盤に演奏された「遠い海、夜の出会いに」。たたみかけていく高音のパワーに圧倒され、鳥肌がたってしまった。また、そこには以前になかったパワーだけではない、弾力感もあったように思う。
一方でリリィ・シュシュ時代のあどけなさこそないが、昔の曲を歌うとそれなりにリリィシュシュ(的な歌声)へと戻っているような印象を受けた。やわらかな少しノイズの乗った、ウィスパーボイスは健在というか復活、という感じで、一旦セカンドアルバムで逆側に触れたレンジがまた揺り返して、いい具合の位置に止まっているような感じ。幅が広がったような印象を受けた。

MCでははしゃいだ様子もなく、言葉を一つ一つ選んで10年間の感謝の気持ちを伝えていて、落ち着いた大人のMCという感じ。今回の演出上抑えたのだろうけれど、やっぱりそれだけではなくて、小林武史と離れまた再び活動を共にする、といった流れの中で彼女なりに気持ちの変化があったのだろう、ということが推察された。

Salyuの楽曲には意外とアップテンポなものも多く、それを並べれば終盤スタンディングで盛り上がることもできなくはないのだが、今回はあえて、そういうLIVEの盛り上がりを封印したような印象も受けた。結局観客が立ったのはアンコールだけだったが、正直座りっぱなしなこと自体、それはそれできつかった。これから始まるホールツアーではもう少し早めにぐっと盛り上がる場面があってもいいのかなと思う。

ライブ終盤・アンコールでは2/11に発売された新曲「コルテオ~行列」と「HALFWAY」も披露。「コルテオ~行列~」はまさにSalyuにぴったりのスケール感溢れるバラードで安心して聞くことができる。「HALFWAY」は映画主題歌となる曲。カントリー調の、今まであまり聞いたことのないテイストの曲だ。

先日フジテレビのとくダネ!の1コーナーでSalyuが出演し歌っているのを見たが、ライブで聞くSalyuの歌声と、テレビというフィルターを通して聞く声はやはり違うものがある(「コルテオ~行列~」は、それでも彼女の魅力を引き出すのにかなり適した曲ではあるが)。音のシャワーを浴びるような感覚は足を運ばないとなかなか味わえないもの。是非Salyuのライブに足を運んでみて欲しい。きっとやみつきになるはず。


コルテオ~行列~/HALFWAY

コルテオ~行列~/HALFWAY

  • アーティスト: Salyu,小林武史,ERIKO
  • 出版社/メーカー: TOY'S FACTORY Inc.(VAP)(M)
  • 発売日: 2009/02/11
  • メディア: CD




merkmal(初回限定盤A)(DVD付)

merkmal(初回限定盤A)(DVD付)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: TOY'S FACTORY Inc.(VAP)(M)
  • 発売日: 2008/11/26
  • メディア: CD



http://www.salyu.jp/ From Salyuに、先日の武道館の写真が一枚掲載されています。久しぶりにみたSalyuは、本当にスリムになっていた。友人が以前どすこいアーティスト等と揶揄していたが、もうその印象は全くない。衣装もミニスカート中心の露出が高いものが多かった。

090210_184449.JPG


タグ:Salyu
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コメント 3

takanobu

初武道館、すごく良い内容でしたね。
CDやテレビで聴くのも良いんですけど、
生で聴く彼女の歌声はまた格別です。
あのステージセットも良かったです!
by takanobu (2009-02-16 01:21) 

mike

西端の2階席でしたが、参加してましたよ。個人的にはあらきさんの復帰が嬉しかったな。「landmark」のあの躍動感は彼女のドラミングじゃないと出ないんですよね。Salyuのヴォーカルについては「シャワーを浴びる」というjunperさんの言葉の通り、パワーあふれてて言う事なしだったわ。
映像は以前のハイスピード撮影から一転して、間欠撮影の雲の映像とテキストが多くて新たな世界を作っていたのも面白かった。また神奈川県民ホールに行きたいな。
by mike (2009-02-17 02:04) 

junper

>takanobuさんへ
コメントありがとうございます。
ホント生で聞くとすごいですよね・・・。ステージや映像も一風変わった感じでよかったですね。ホールでのライブも楽しみです。

>mikeさんへ
あらきゆうこさんのドラミングはSalyuに合ってますね。復帰してくれて僕も嬉しかったです。ただ僕はアリーナで見てたんですけど、ちょっと下の音がきつかった印象です。
映像にテキスト(詩)をのせていく趣向は変わってて面白かったですね。
by junper (2009-02-22 23:58) 

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