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2008雑感。 [コラム]

2008年もあと残すところおよそ9時間余りとなったわけだが、振り返ってみるといろいろなことがあった年だった。特にプライベートでは環境の大きな変化があり、いろいろと忙しかったりしたので、趣味的な時間、とりわけブログに割く時間が取れなくなった。記事を書くこともそうだが、よく読んでいるブログにコメントしたり、コメントを返したりすることもうまく時間がとれなくなってしまっていて、それについては申し訳ない気持ちだ。

音楽的には4月に倉橋ヨエコの廃業、10月には記事にはしなかったがクリームチーズオブサンが相次いで解散を発表し、11月、極めつけに小室哲哉逮捕のニュースを聞き、ショックな出来事が相次ぐ一方で、11月には椎名林檎がデビュー10周年を迎えるなどの出来事もあり、個人的にはその他いろいろなことを含めて、J-POPを聴くことに関しては一区切りついた感がある。

音楽業界もCDから配信へシフトしつつある中で転換期を迎える一方で、このブログを始めた頃と比べてみると、正直僕自身もJ-POP(音楽)を聴くことに対するウエイトが下がりつつあって、映画を見たり、読書をしたり、あるいは音楽を演奏したりと他のことへの関心度の方が高くなっているのが現実である。

以上のようなことからこのブログを止めてしまおうか、とも悩んだ時期もあったが、今後ともいろいろな他の方のブログを読んだりコメントする上でのベースメント的な意味合いもあるので、ボチボチと続けていきたいと思っている。


最後に、今年紹介したCDの中から、もう一度改めて紹介しておきたい一枚を選んでみた。


EXAMPLE

FROG「EXAMPLE

  • アーティスト: FROG,沖井礼二
  • 出版社/メーカー: Columbia Music Entertainment,inc.( C)(M)
  • 発売日: 2008/08/06
  • メディア: CD


元シンバルズ、沖井礼二のニューアルバム。ジャズ、フレンチポップのような軽さとデジタルロックのエッヂ感が融合した、まさに今の僕自身の個人的な趣味にぴったりマッチしたサウンド。タワレコのインストアライブではもう一枚アルバム出したら、ライブをやります、とのことだったので、来年は是非アルバム発売、そしてライブをやっていただきたい!



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ミドリのライブ終了後のことをいくつか [コラム]

ミドリライブ続き。ざっくり箇条書き風になってしまったのだが。

ライブ終了後jasperさんが出待ちをする、とのことなので、それにもなんとなく参加してみた。他にも10人くらい同じように待っている人達がいたが、ほとんど皆面識あるもの同士といった感じ。なかには岡山の方から参加している人もいたが、とにかくここまで残っているということはミドリファンの中でもコアなファン達なわけで、とても濃密な空気が流れている感じがした。
2時間程待った10時半くらいから徐々にメンバーが出てきたのだが、最初に出てきたベースの岩見氏やキーボードのハジメの2人は特に気さくに応じていて、ステージを降りれば普通のお兄さんなんだよなぁ等と考えていたりもした。

出待ちをしていた彼らからも例のスタッフ出て行け事件の話題が上っていたが、小さいことは毎回のようにあるにはあるらしい。ただ今回のようにステージを降りてまで攻撃することは滅多にないし、背後からスタンドを投げつける、ことはちょっと卑怯じゃないか、等の意見も出ていて、ファンの中でも肯定的に捉えた人と二分しそうな気配だった。
ミドリ初参戦の僕はもちろん否定派(気持ちがどうあれスタッフへの暴力なんて許されるべきものじゃないだろ?・そして被害を受けた彼が手を抜いていたとは当時の状況から判断しても考えにくかった)だが、今それと同時に思うことは、後藤まりこ自身はそうした体内の中にある怒りのエネルギーを音楽の糧にしている人であるということだ。だから彼女の作り出す音楽は鋭角的であって、今この時代にあっては貴重な存在であり、吸引力があるのだ。

ところで、最後まであまり音楽的なことは書かなかったが、最前列にいたことで、後藤まりこの殺気だったオーラは十分に感じることができた一方で、ボーカルの声が楽器の音に掻き消されてほとんど聞こえなかったというデメリットがあった。分かっていたことだが、次見るとしたら、彼らの音楽的な、自分なりの評価もあらためてしてみたい所ではある。


タグ:ミドリ
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ライブ中の野次について [コラム]

なんだか、すごく気になったので書く。ライブ中の野次についてだ。

先日僕も見に行っていたチャットモンチーのライブ中の野次について、某巨大掲示板やSNSなどで少し話題になっているけど、僕が聞こえた(と記憶している)野次で気になったのは、最初のMC準備中前に「早くなんか話せ!」というような内容のものが一つ。これはあきらかに悪質な部類と思う。
確かに曲間でほんの少し間が空いたのだが(それでも30秒ないくらい)そんなの普通によくあることだし、しかも単独ライブで、わざわざチケット買って見に来ているのにどうしてそんな水を差すようなこと言うか?と思った。コイツに関しては以後どのアーティストのライブに対しても見に行く価値なし。もうくんな。

もう一つは、「~萌えー。」に関して。野次なのかグレーゾーンだけど、個人的にはどうかな~とは思った。気持ちは分からないでもないが、というかそういう要素があるからこそ売れているのも事実だが、本人達も気にしてそうだし、これから行く人はやめておいてあげたら、と思う。

また、メンバーが野次についてブログで言及したことについて、これも一部では、それを受け流すのもプロとしての力量のうちだ、と書かれているのをみたが、その指摘うんぬんよりも、結果心の中に留めておくことが出来ずに野次をいう観客側の、節度を越えている問題がまずはあるわけで、その前にプロじゃない僕ら側がプロ意識について指摘するのはどうかと思う。
それと、今回ブログで触れるということは、メンバーからのメッセージとも受け止められるわけで、そのことをこれから見に行く人達は心に留めておくべきだと思う。

ライブにおけるマナー・ルール・常識は音楽のカテゴリが違えばその範囲は異なるものだから、必ずこうだ、というものはないと思うし、線引きは難しいけど、すぐ側にいるオーディエンス、そしてアーティスト達に迷惑を掛けないような節度を持つということはよく考えるべきだと思う。


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LIVE STAND 07 ってどうなの? [コラム]

うわーっ。やってしまいました。一週間以上に渡る放置プレイ。忙しくてチャットモンチーの出てたオンタマぐらいしか見てないです。

ところで、友人のブログで教えてもらったのだが、ホントかどうかは知らないけど、チケットの売れ行きがこんな有様(という噂の)のLIVE STAND 07、いよいよ当日を迎えています。
特別お笑いファン、というわけではないけれど、運営がロッキンオンということなので会場がどんな様子が気になるところです。できれば行って見たかったんだけどなぁ。さすがにあれだけ宣伝してたので、ウドーみたいなことにはなっていないとは思うんだけど。ただそれ以上に中途半端な感じになっていたりして。

今回のLIVE STANDってとりあえずロックイン(カウントダウンか)のフォーマットをそのままお笑いに持ち込んでいて、狙い自体は、ロックインジャパンがフェスの入門編的な存在、いわゆるライト層の取り込みを担っている部分で、そういう意味での吉本の期待もあるんだろうけど、吉本っていうと、どうも自分はお金の匂いがしてしまう。イコール安直にフェスで唯一儲かっているという噂のロックインに乗ったんじゃないか、とも思えてしまうわけで。

ただ今回が仮に失敗したとしても、お笑いフェス、のようなことはアプローチを変えて、どんどんやったらいいんじゃないかと思う。テレビだけを発信地としたお笑いブームはやはりバブルとしてはじけてしまうだろうし、舞台で映える芸人もたくさんいると聞いているので。

来週からはちゃんと音楽ネタで更新(できたらいいな)します。

http://www.livestand.jp/index.html 当日券売ってます。

 


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オリコン、これはまずくないか? の続き。 [コラム]

オリコン裁判フォロー記事。(以前の記事はこちら)間が随分空いてしまったのだが、この間音楽配信メモを起点に僕もいくつか様々な意見の記事を読みました。

まずは現在分かる範囲での状況について、鳥賀陽氏ご本人のサイト「鳥賀陽ジャーナル」によれば第1回口頭弁論期日が07年2月13日に決まったということが現在の状況のようだ。また06年12月28日には同サイトにてオリコンプレスリリースについて鳥賀陽の見解というオリコンプレスリリースへの反論が掲載された。
これはオリコンによるテロ訴訟である、と過激な見出しがついている。

12月25日のオリコンプレスリリースはこちら(PDF)

またサイゾーは鳥賀陽氏の支援を表明

音楽配信メモの12月26日のエントリーでは、自らの立場からだけではない、様々な意見を掲載している。

さて、僕はライターでもジャーナリストでもないので、これが世のライター達にとってどんな影響を持つのか、という観点からモノを言わない方がいい気がする。(そんな風に書いた記事は一旦ボツにした)

1リスナーからすれば、僕の記事にトラックバックしてくれた人のように、オリコンのランキングをみてCDを買ったりはしないだろうと思う。ただ、オリコンで何位だったといって、メディアがその曲を流せば、それが同時に視聴機会となって、CDが売れるようになる。タワーレコードではオリコンランキングで並べた商品棚のスペースがあり、中にはそこからCDをチョイスして購入する人もいる。その意味でランキングの効果というものは実際あるのだと思うし、ライトユーザの多くはランキングを間接的に参考にして買っている、とも言えるのではないかと思う。

だからといって、テレビ番組で素人を使っている番組の多くが実は素人ではない(あるいは半分素人のような)人達を使って素人出演番組を作っている、が視聴者はそれを分かりつつも楽しんでみているのと同じように、必ずしもオリコンのランキングもまたその正確性自体は問われていないように思う。
それはオリコンという会社が単なる1リサーチ会社ではなくなっていて、自らがコンテンツを作り、ランキングそのものをエンタティメント化させている会社であって、既に立ち位置が客観的な立場にいないからだ。

それ故、どういう形であれ、このような裁判を起こせば、否が応でもオリコンが触れたくないはずの(または放棄した)ランキングの正確性について問われてしまうわけで、ライターとの関係性や掲載されたサイゾーという雑誌の社会的影響力のなさ(失礼)も含め、オリコンにとってはこの裁判が勝っても負けても、メリットはないんじゃないかと思うのだが。
オリコンもこのことは認識していないわけもなく、だからこそ何か別の力が働いているのだと考えてしまうわけだけど。

あと切込隊長blogにて納得と書かれていることがそうなのかどうかは微妙だけど、オリコンが恣意的にランキングを動かしているか、それともレコード会社がランキングを動かそうとしているか(探偵ファイルの記事は後者になるはず)は大きな違いがあって、その点では
「オリコンは予約枚数もカウントしている」(これは前者にあたる)
と書いたサイゾーの記事は問題があるように思う。オリコンは訴訟を起こすにあたって、この点を指摘しているが、この点が事実誤認で、(僕は裁判にすることの正当性というのは裁判事情に詳しくないので知らないけど)この裁判がもし正当なものであるとするならば、裁判としては鳥賀陽氏がこの発言の証拠を出さなければ負ける可能性もあると思う。
実際どこまでこの裁判で含まれていくのかが僕にはよく分かってないので、なんとも言えない部分ではあるけど。


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オリコン、これはまずくないか? [コラム]

ちょっと見過ごすわけにはいかないので、記事を書きます。

昨日アップされた津田大介氏の「音楽配信メモ」について。(まずはこちらを読んでください)
記事は、サイゾーという雑誌で書かれた「ジャニーズは超VIP待遇?!事務所とオリコンの蜜月関係」(※)という記事中にコメントを寄せている鳥賀陽弘道氏が名誉毀損で訴えられたということに関するもの。鳥賀陽氏は「Jポップとは何か」の著者。(僕もこの本は読んだがJポップをここまで真正面にとらえた本はないので、Jポップが好きなら是非読んだ方がいいです)

上記の記事はかなり長いので、じっくり読んでほしいのだが、まず指摘されている通り、この内容において訴えられるべきはサイゾーであって、鳥賀陽氏ではないのは明らかだ。それにちょっと失礼だけど、サイゾー自体がオリコンを追い詰める程影響力がある媒体とも思えない。

というか前からオリコンのランキングがある程度操作されている、という噂は、真偽はともかくとして、そして昔からサイゾーが指摘せずともあって、無論鳥賀陽氏がその流れを作った首謀者であるわけでもない。
オリコンのプレスリリースもなんとなくちぐはぐだ。うろ覚えで申し訳ないのだが、確かオリコンの集計方法は明示されているように見えて、何かオリコン独自の係数をかけてはじき出している、と突き詰めていくと曖昧になっているのではなかったかな?この辺りは明示しているとも解釈できないこともないし、明らかにしていないともとれる。

まぁともかく、この津田氏の記事が極めて鳥賀陽氏寄りな記事である、という部分をさっぴいても、オリコンさん、こんな程度で訴えちゃうの(もしくはタイミング違うだろ?)・・・?という内容である。

そうなるとどうしても考えてしまうのが、この記事のもう一つの槍玉「ジャニーズ事務所」がオリコンに圧力かけたんじゃねーの?という点。これも津田氏の記事中に少しだけ触れられているのだが、こんな裁判やったって勝てるわけないでしょというのはオリコンサイドだって分かっているはずだろうから、そうなるとかえってそういう風に考えた方が自然とも思えるわけで。
だから鳥賀陽氏は以前の自分の仕事で、ジャニーズを間接的な部分も含め批判めいたことをしてないか、一度よく調べた方がいいんじゃないかと思う。

ところで、この点に関する憶測が正しいとすれば、オリコンはジャニーズ事務所と蜜月の関係があり、やっぱりランキングを操作していました、ということになってしまうわけだ。
無論裁判ではその点が争われるわけじゃないし、その繋がりがどのようなものなのか、明らかになる日はこないだろうけど。
(あたかも決め付けたような物言いで恐縮だが、最近のジャニーズの不祥事のもみ消し方といい、ウェブに対する過剰反応といい、少し傲慢じゃないですかねぇ?)

5000万円の損害賠償に対する弁護士費用は200万以上かかるそうで、訴えられた時期も含め、結局の所オリコンサイドの法律を使ったいやらしい嫌がらせなわけだけど、こんなやり方してたら、その内ユーザから総スカンくらいますよ。

音楽好きの人間として、ホントさみしい話です。なお、この件は今後も注目していきたいと思います。

※リンク先は鳥賀陽氏が自らのホームページにサイゾーの記事をアップしたもの。

 

 


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批評に関する雑感(200本目記念) [コラム]

200本目の記事、そして1周年(ほぼ)。

閑話休題。この機会に音楽批評について、僕の見解を少し書いておきたいと思う。

批評について厳密に考えたことはないけれど、批評として最低限必要なことは、まず批評される対象の音楽的バックグラウンドをしっかり解説できているか?、そして褒めるだけでなくきちんと批判できているかどうか、また文化が社会に与える影響について、対象を通じて論じられているかという点であり、それが満たされなければ、まずもって批評と言えないと思う。

だから、僕がこのブログで書いていることは、レヴューではなくてイントロダクション(紹介)。批評の意味が薄れていく中で、敢えて批評にも挑戦するべきとは思ってはいるのだけれど、まだそれには時間が掛かりそうだ。

ところで本来率先して批評すべきメディアがレコード会社と結託してミリオンヒットを手助けするための提灯記事を書く。それってもう死んでない?とか益々音楽というマーケットを狭めてるよ、などと思うときもあるんだけど。そういう意味じゃよっぽどブログの方がマシだと思う。

そんなこんなで、粛々とミュージックライフ。は続いていくのです。約1年間で200本の記事は若干オーバーペース気味。そして調子に乗って、財政は破綻気味。今後はもう少しゆったりとしたペースで書いていきたいと思います。

コメント&トラバ歓迎。必ず返しますよー。
あとテキスト多めで写真少ないのは申し訳なく思っておりますが、多分直らないと思います。すまぬ。


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宇多田ヒカル「Be My Last」は何故売れなかったのか? [コラム]

先日とあるニュースサイトで「宇多田ヒカル CD不振の近況」という記事を見つけた。
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1472417/detail
同様に今月の日経エンタテイメントでも同じような内容のコメントを見かけた。
確かにオリコンでは先週の時点でわずか12万枚。かろうじてランキングは1位だったものの、浜崎あゆみ「HEAVEN」が30万枚突破している状況と比較してみれば、その凋落ぶりが著しいのは明らかだ。

海外進出に失敗した負のイメージ(日経エンタテイメント)のせいも無論あるだろうが、その原因はやはり楽曲の内容につきると思う。
一言で言えば、今回の楽曲は実に理屈っぽいのだ。

先日リピートで僕らの音楽2を見た。宇多田と行定勲の対談である。
この番組中で宇多田は自分の楽曲の作り方について、この曲の思い入れと共に語っているのだが、その中でできたメロディをそのまま出していくのではなくて、どんどん削っていって研ぎ澄ましていかないと飽きられないもの、長く聞いてもらえるものを作ることはできないと言っていた。
ちなみに僕はアーティストが長きに渡って創作活動を続けようとするなら、初期衝動だけで創作活動は続行できないのは間違いないことで、至極当然の考え方だと思う。ただしポピュラーミュージックとしての均衡を保つのが実に難しいのだが。
で、この対談を聞いた後、僕は何度もこの曲を聞き直したのだが、一見ギター1本のシンプルに見える楽曲が実は非常に多層構造になっていることが見えてくるのだ。
特に歌詞の解釈が難しい。いきなりかあさんから始まる歌詞は男の視点で書かれたようにも見えるが、2番の歌詞は明らかに女性の視点が入っているし、まっすぐ向き合っているかというとそうでもない。そしてメロディがシンプルで大半をサビが占めるという展開、対したストーリーが曲の中で展開するわけでもない。
内省的なのかと思えるが実は映画の主題歌としての書き下ろし。
メロディも特にサビへの展開は全く別の2曲を張り合わせたような感覚もある。そして実はサビのメロディが光のサビと酷似している点も見逃せない所だ。
とにかく実によく練られているのである。

ただそれ故、これはこういうことなんです、という明確なメッセージが何度聞いても分かりにくい。(当然一見して分かるわけがない)そしてもっと言えば楽曲ごとに音楽性すらもチョイスして変えてくる故に全く軸すらも見えない。ただただ頭でっかちな理屈っぽさだけが印象に残るハメになったのだ。
結果として宇多田自身が多くの(ポップソング好きの)リスナーを置き去りにしてしまったのである。表現者達だけが馴れ合いの上で評価しあう現代美術のように。

皮肉なことに、一番売上げのあった宇多田のファーストアルバムは初期衝動が溢れんばかりにつまったアルバムだ。全体のバランスは荒削りでよくないけれど、巨大な音楽マーケットを飲み込むような勢いと誰にでも受け入れられるシンプルでやさしいメッセージがそこにはあったのは確かだ。

宇多田ヒカルがどこへ進むのかは分からない。けれどこのままポップソングの枠を飛び越えて行ったら、最後にはほんのわずかな固定ファンだけが集まる(もともとキャラクターそのものににブランド性があるわけではないので)ごく小さなサークルの中で音楽をやることになってしまうだろう。それはそれで仕方がないことだけど。


宇多田ヒカル「Be My Last(DVD付)

  • アーティスト: 宇多田ヒカル
  • 出版社/メーカー: 東芝EMI
  • 発売日: 2005/09/28
  • メディア: CD



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ブレイクしたかったら、ディスコチューンを作れ! [コラム]

昨日TBSのCDTVをチラ見していると、FLOWというバンドの新曲が3位に入っていた。なんとなく10位内には入るけど、イマイチ垢抜けないグループという印象・・・のFLOW。
今回自身初の3位ということで、ようやくブレイクした感があるが、実はこの曲サビがディスコチューンなのである。

ディスコチューンなリズムって具体的にどういうリズムなのかというと、バスドラ(ドッというドラムの低音部分の音)の4つ打ちと、ハイハット(チッ、チッという高い音)がリズムの裏(1、2、3、4という四拍子のリズムの2、4の部分)に入っているリズムで、これが組み合わさって音になると、ドッ、チッ、ドッ、チッと聞こえるリズムになる。これが基本的なディスコのリズム。

で、日本人はこのディスコチューンなリズムがどうも大好きみたい。個人的には、アーティストの初ブレイク曲=ディスコチューンとさえ思っている次第。

例えば、最近の代表格でいえば、ORANGE RANGEの「ロコローション」。これはサビがもろそうだし、分かりやすい所でいえば、トラジハイジ「ファンタスティポ」、ケツメイシ「君にBUMP」とか。

ロックバンドでもディスコチューンなリズムでブレイクしたバンドがあって、例えばレミオロメンの「南風」、アジアンカンフージェネレーション「君という花」などもこのリズムが基本。あとは、サンボマスター「青春狂騒曲」もそう。特にアジカンは、ハイハットが裏を取る曲が実は結構ある。

特に大ブレイクしたことで有名なのはやっぱり、モーニング娘。の「LOVEマシーン」か?

というわけで、アーティストの皆さんはブレイクしたかったら、ディスコチューンを作れ!ということで一つ。


ディスコといえば、やっぱりミラーボール?


FLOW「DAYS」 エウレカセブンというアニメの主題歌。3位は自身初(オリコン)。

ORANGE RANGE「ロコローション」 原曲はビーチボーイズのロコモーション。これを上手く咀嚼し、ディスコチューンへと大胆なアレンジ。大ブレイクするきっかけとなった曲。

トラジハイジ「ファンタスティポ」 日本的歌謡曲の良さとディスコ的ノリがうまく合体した。個人的には今年一番の名曲なのでは、とさえ思っている。


ケツメイシ「君にBUMP」 プロモーションビデオが面白い。サタデーナイトフィーバーな一曲。


レミオロメン「南風」 サビの君をもっと~愛をもっと~欲しいのさ~からがディスコなリズム。明るく爽やかな楽曲。


アジアンカンフージェネレーション「君という花」 音やリズムもかっこいいが、ゴッチの作り出す詞の世界も独特でいい。~君の目にただ光るしずく、あぁ晴天の霹靂~とかよく曲にはめたなぁとか思うとすごい。


サンボマスター「青春狂騒曲」 ロックといえど、ブラックミュージック的な要素がふんだんに取り入れられている。


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速報!歌の大辞テン!!最終回 [コラム]

昨日なにげに速報!歌の大辞テン!!を途中から見ていたら、来週のスペシャルをもって終わるとのこと。後番がどうなるか知らないが、もし音楽番組でなかったら、ゴールデン帯から音楽番組が一つ減ることになるわけだ。

歌の大辞テン!!は他の民放の音楽番組と比較して、かなり異色だったように思う。アドリブトークのできる大物芸人(司会者)を他局にとられてしまったせいもあるかもしれないが、昔のトップ10と今のトップ10を組み合わせて比較するというアイデアは後々いろいろと影響を与えたような気がする。昔のアーカイブを活かす手法は、当時先行してヒットしていたTHE夜もヒッパレ!と同じ論法で、始まった当初は日テレらしい番組だなぁと思った。
僕は正直この番組が好きじゃなかった。うたばんやHEY!HEY!HEY!のようにアーティストの素の面がのぞけるわけでもないし、演奏はワンコーラスでぶった切ってしまうし。
ただ、ともかく音楽番組がゴールデンから消えること自体は寂しい。

昔、夜のヒットスタジオとザ・ベストテンが相次いで終了し、音楽番組冬の時代などとも言われた時期があった。それは94年から始まるHEY!HEY!HEY!によって音楽番組が息を吹き返すまで続いたが、今ゴールデン枠で放送されている音楽番組の状況は、89~90年のその時代に近い状態になっているように思う。

ミュージックステーションはともかく、HEY!×3、うたばんで出演するアーティストは毎回変わり映えしないし、うたばんに至っては、もう題名で歌番組だと分かるくらいで、実質若手お笑い番組なのか、なんなのかよく分からない状態。

HEY!×3がミュージシャンとのトークを中心に据えるといった新しい切り口を提示して音楽番組を復権させたように、また違った角度からアイデアを提示することが必要だが、これだけ音楽の好みや聞き方が細分化された今、ゴールデン枠で音楽番組をやる必要はもうないのかもしれない。

速報!歌の大辞テン!!
http://www.ntv.co.jp/daijiten/

ミュージックステーション
http://www.tv-asahi.co.jp/music/

HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP
http://www.fujiint.co.jp/HEY/

うたばん
http://www.tbs.co.jp/utaban/
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